亡き人に会うために

大切な人を亡くされた人へ|前を向いて歩いていくためのヒントと故人に再び会うための方法を考えるブログ

優しさの勘違い

 

 

 

かねてから感じてはいましたが、死別界隈において、私は「ある発言」をよく耳にしている気がします。
それは、「死別経験者に寄り添う姿勢こそが死別経験者に対する優しさである…」といった類の発言です。
いえ、これでは正確ではありませんね。
正確に言うなら、「悲しいよね」「つらいよね」といった具合に死別経験者を慰め、その気持ちを汲んであげることこそが優しさといった内容の発言です。

 

 

おそらく、こういった話はみなさんも耳にしたことがあるでしょうし、場合によっては文章として目にしたりもしていることでしょう。

 

 

もちろん、これを否定するつもりはありません。
なぜなら、傷ついた人々を慰めるという行為は優しさ以外のなにものでもないでしょうから。

 

 

しかし、「これこそが優しさ」と言われたなら、それは断固として否定せざるを得ません。

 

 

というのも、私は、死別経験者の「立ち直り」に役に立つものを提供しようとする気持ちこそが「優しさ」だと考えているからです。
それだけでなく、その姿勢で接することこそが「寄り添い」だとも考えています。

 

 

 

以前にも触れたとおり、死別経験者が目指すべきゴールは「立ち直り」です。
よもやこの点に関して異論はないでしょう。

 

 

さて、ではその「立ち直り」には、冒頭のような慰める姿勢しか役に立たないのでしょうか?

 


決してそんなことはないはずです。
確かに、死別当初はそういった姿勢のほうが効果的かもしれません。
しかし、時期によっては励ましたり奮い立たせたりする必要だってあるはずですし、時にはしっかりとダメ出しすることだって必要なはずです。

 

 

とはいってもご安心ください。
死別がデリケートな問題であるということは私もよく理解しています。
ただ、それを気にし過ぎるあまり「過保護」になってしまうのであれば、それはまたそれで問題だ思います。
そして、それこそが私が今回の記事で言いたいことでもあります。

 

 

では、ここで質問させてください。

 

みなさんにとって役に立ったのは、いつも自分にとって好都合な意見や好都合な人間ばかりでしたか?
みなさんを成長させてくれたのは、どんな時もみなさんの気持ちを優先し、どんな時もそれを否定しない人間ばかりでしたか?

 

 

可能であれば、死別に絡めずにそれまでの人生の中で考えてみてください。


 

どうでしょうか?

 

 

気付けばそこに、厳しい意見を言ってくれた人間や自分の知らないことを教えてくれた人間がいませんでしたか?
そして思い出したくはないかもしれませんが、誰かに叱られた経験などが自分の成長につながってはいませんか?

 

 

答える必要はありません。

 

ただ、周囲の人間のこういった行動も、みなさんの成長につながり、それもまた「優しさ」に基づくものであったということはおそらく理解できたことと思います。

 

 

そしてこれは、死別においても同じことです。
少しだけ異なる点を挙げるなら、死別の場合は「デリケートな問題」という強烈なフィルターが掛かっているため、多くの人間が死別経験者を慰める側に立とうとする傾向が強く、それが故に他の意見は攻撃されたり排除されたりしやすいという部分ぐらいです。

 

 

 

結局、どちらがいいとかいう話ではありません。
どちらの意見もどちらの姿勢も必要です。
要はバランスです。
そしてバランスを取るためにも、そこに「目に見えないフィルター」が存在していることを忘れてはいけません。
あとは、それを十分に意識した上で、本当の意味で「優しく」寄り添ってあげてください。


ちなみに自分の経験から言うと、過保護はまったくおすすめできません。

 

 

 

最後に

 

 

こういった内容を書くと「そもそも立ち直る必要なんてあるの?」といった意見を頂戴することがありますので、それについて。

 

 

個人的には、これは失笑ものの意見だと思っています。
それに、とても本気で言っているとも思えません。
ですから、みなさんもこういった意見を相手にする必要はないと思います。
というよりもむしろ、こういった意見を言う人間からは距離を置いたほうがいいとさえ感じています。
なぜなら、本人にとってどちらがいいのかということを少しでも本気で考えたのであれば、こんな意見が出る余地はないはずですし、こういった意見を言う方には、周囲にいる人間の足を引っ張ろうとする傾向が見られるからです。
言い方を変えれば、それは「反論のための反論」とも言えますし、「自分を弁護するためだけの反論」とも言えるような気がします。
 

 

  

 

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