卒業、退職、転勤、転職…
ご存知のとおり、3月は別れの季節です。
ですから、これから多くの人間がさまざまな場面で人に別れを告げることになるのでしょう。
そんな人と人との別れについて考える時、私の頭によく浮かんでくることがあります。
それは、自分が想像しているよりもはるかに多くの人間に「もう二度と会わない」ということです。
本当に簡単な例を挙げるなら、小学校の同級生のことを思い浮かべてください。
特定の数人を除けば、そのほぼすべてにもう二度と会うことはないでしょう。
それはつまり、卒業式やその前後で言葉を交わしたっきり、その後、死ぬまで会うことはないということです。
あれだけ毎日を一緒に過ごしていたことから考えると、ひどく不思議な感じですし、にわかには信じられないような話でもあります。
しかし、卒業式から今日までに会った回数が実際にゼロであるという事実を考えてみると、不思議どころか当たり前のようにそういった結果となることでしょう。
これは、中学校の同級生に対しても当てはまることですし、高校、大学に関してもおおよそ似たようなものでしょう。
当然、転勤や転職といった場合も、少なからず当てはまるケースがあると思います。
「もう二度と会わない」
このことを意識して伝える別れの言葉と、意識せずに伝える言葉では、きっと何かが違うはずです。
そして、「もう二度と会えない」
こう考えた上で伝える別れの言葉は、さらに何かが違ったものとなることでしょう。
同級生や同僚ですので、自分が愛する大切な人間とは異なります。
したがって、それほど大袈裟に考えない方も多いはずです。
ただ、二度と会わない可能性が極めて高いといったことを意識しておくだけでも、あとになって後悔しないような別れ方ができるのかもしれません。
私自身が「人生における最大の別れ」を後悔しているからこそ、この季節によくある「ありふれた別れ」さえも素敵なものであってほしいと願うのかもしれません。
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