大切な人を亡くした時、やはり多くの人は「さぞ無念だっただろうに」と思うことでしょう。
亡くなった相手が若ければ若いほどこのように考えてしまうでしょうし、故人と今後について何か約束をしていた場合や、故人が夢を語っていた場合などは特にそのように感じることでしょう。
もし本人が生前に「まだ死にたくない」などと言っていたのなら、それはもう尚更のことです。
では、そんな故人の無念に対して、私たちはどうすればいいのでしょうか?
そして、私たちには何かできることはあるのでしょうか?
身も蓋もない言い方をしてしまうと、亡くなってしまっている以上、故人の無念を完全に晴らすことは不可能です。
しかし、「無念だっただろうに」といつまでも考えているだけでは、故人は永遠に「かわいそうな人間」のままであり、永遠に「無念のうちに亡くなった人間」ということになってしまいます。
さすがにこれはどこか寂しい気がしますし、故人にとってみても決して気持ちのいい話ではないでしょう。
それに、ひたすらに故人の無念さを気にし続けることが、残された人間のためになるとも思えません。
「大切な人にそれをさせてあげられなかったのは、きっと自分のせいに違いない」と、いつまでも後悔し続けるのが関の山でしょうから。
では、どうするのか?
簡単です。
故人の無念を私たちが「代わりに」晴らしてあげればいいだけのことです。
そして、きっとそれは可能なことです。
とは言うものの、実際に何をすればいいのか?
難しく考える必要なんてまったくありません。
故人が無念に感じているであろうことの中から、私たちにできそうなことを選んでその遺志を引き継ぐとともに、それを実現するのための努力をしてあげればいいんです。
たとえば、故人の夢が世の中の役に立ちたいという内容であった場合、それは私たちにもできることです。
それはつまり、私たちが世の中の役に立つことで、故人の無念を晴らすことができるということです。
この時、少し問題となるのは、それが故人にしか晴らすことができないものである場合です。
たとえば、故人の夢がプロ野球選手になることだった場合などは、そういったケースと言えるでしょう。
このような無念を晴らすためには、やはりあなたが今から野球を始めるしかないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
だって考えてもみてください。
「お前がプロ野球選手になって、俺の無念を晴らしてくれ」なんてことを故人が言うでしょうか?
きっとどころか、絶対にそんなことはないでしょう。
ですから、そういった場合は故人の無念を私たちなりに噛み砕き、私たちのできるような形でそれを晴らしてあげればいいんです。
たとえば、プロ野球について知識を増やすとか、実際に球場に行ってみるとか、高校球児を応援してみるとか…
どんなことでもいいと思います。
プロ野球に関係することで、故人が喜びそうなことをあなたなりにやってみればいいんです。
「そんなことでいいの?」って思いますか?
もしそう思った方は、自分の大切な人を思い浮かべてみてください。
そして上のような行動を自分がした時の状況を想像してみてください。
そうすれば、あなたの行動に対して「ありがとう」と言ってくれている故人の姿が想像できるはずです。
その「ありがとう」こそ、あなたが故人の無念を晴らしたことに他ならないと私は思います。
ですから、決して晴らせないと考えていた故人の無念も晴らすことができます。
それだけではありません。
いつ、どの時点からでも、そして誰にでも晴らすことができます。
もちろん、自分なりにかみ砕くため、多少なりとも形は変わってしまいます。
また、場合によっては故人の望みとかけ離れた結果になってしまうこともあるかもしれません。
でも、残された人間が一生懸命故人の無念を晴らそうすることを、故人が喜ばないはずはありませんし、そんなあなたを責めるはずもありません。
そこにはきっと感謝の気持ちしかないはずです。
ここからは、少し現実的な話です。
ここまでの内容と多少矛盾する点もあるかと思いますが、そういった部分はご自身にとって都合のいいように考えるようにしてください。
気付いてらっしゃると思いますが、結局、最終的には自分の心と決着をつけるしかないんです。
はっきり言うと、あなたがしたことによって故人の無念が晴れるかどうか、これは故人が判断するわけではありません。
あなたがどう思うか、また、あなたがどう思えるかだけの話です。
ですから、いつまでも無念だっただろうにと悲しむのか、故人の無念を自分なりに晴らそうとすることで前を向こうとするのかも、あなたが決めることです。
当然、どちらを選ぶかは自由です。
ただし、今後のあなたの人生を考えた時、どちらに考えるかで天と地の差が生まれるような気がしてなりません。
かわいそうにとばかり考えていたら、本当に故人はかわいそうです。
故人を想うのであればこそ、故人のために今できる精一杯のことをしてあげたいものです。
最後にもう一度書いておきます。
故人の無念は晴らせます。
そして、その役目はあなたです。
気負う必要なんか少しもありません、あなたなりのペースで故人の無念を晴らしてあげてください。
なにより、きっとあなたの気持ちが少し軽くなるでしょうから。
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