亡き人に会うために

大切な人を亡くされた人へ|前を向いて歩いていくためのヒントと故人に再び会うための方法を考えるブログ

死別経験者ですか?という質問

 

私は今までに何度か、「あなたは死別経験者ですか?」と確認されたことがあります。

 

当然、「はい、そうです」と返事をすることになるわけですが、こういったことがある度に死別経験者のおごりのようなものを感じます。

 

以前にも触れましたが、死別経験者には自分の経験を特別なものだと考える傾向があります。これは理解できますし、当然のことでしょう。なぜなら、人生の中で死別ほど強烈な出来事はあまりないでしょうから。したがって、そのように考えること自体は決して責められることではありません。

しかし、どうやらその思いが強すぎるのか、自分自身まで特別な存在だと勘違いしているような人に出くわすことがあります。それが冒頭にあるような場面です。

 

冒頭の「あなたは死別経験者ですか?」の質問の裏には、言葉に出してこそいませんが、ある強いメッセージが込められています。それが、下のメッセージです。

 

「私は死別経験者だから死別について語る資格があるけど、あなたまさか死別経験者じゃないんじゃないの?」

 

これは決して大袈裟な話でも私の考え過ぎでもありません。なぜなら、冒頭の質問がされるのは決まって私とその人間との意見が食い違う時だからです。

 

そこには、「死別経験者ならわかるはず」というメッセージとともに、「未経験者にはわからないはず」というメッセージが込められているのです。

 

 

思うんですけど、そんなに死別の経験って大事ですか?

 

死別を経験していないと死別経験者の気持ちがわからないという考えについてはなんとなくわかります。ですから、それが気になる場合は死別経験の有無を確認してもいいのかもしれません。また、死別経験者と未経験者の意見では説得力が異なるということもあるでしょうから、そういった時も死別経験の有無を確認してもいいのかもしれません。

 

しかしどちらの場合にしても、前もって確認しておけばいいことであって、意見が異なったからといって持ち出す必要はないはずです。そのタイミングでそういった質問を持ち出すのは、間違いなく相手の意見が気に入らずに排除したいからであり、さらにその質問内容が死別経験の有無を確認するものであることから、その人間が死別経験者のほうが偉いと考えていることまで垣間見えます。

 

人それぞれ意見が異なるのは当たり前の話ですから、それを認めようとしない態度もどうかとは思いますが、私がなにより好きになれないのは、死別経験者と未経験者をすぐに分けようとするその姿勢です。

 

そもそも、ほとんどすべての人間が人生において死別を経験するわけです。それにもかかわらず、あたかも自分しか経験していないかのごとく死別経験を振りかざすのは、いやはやなんて言えばいいのでしょう、ひどくカッコ悪い…

 

先ほども触れたように、死別は個人にとっては特別な経験です。しかし、他人に求めたり、他人に対して振り回すようなものではないと思います。

先に死別を経験したからこそ、未経験者を排除するのではなく、未経験者にも寄り添える人間になりたいものです。

 

 

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